「意志」と「人生」の法則
(Light on Life's Difficulties)
- 訳:松永 英明
- 本体価格:¥1200/5%税込:¥1260
- 単行本: 182 p
- 出版社: KKベストセラーズ
- ISBN: 4584187967
- 2004年03月10日発売
まえがき
真っ暗な部屋に入ると、周りのものは見えません。どこに何があるのかわかりませんから、うまく動くことができません。そして、部屋の中のものにいきなりぶつかって、痛い目に遭ったりもします。
しかし、そこに光が差し込めば、混乱はたちまち消え失せます。あるものすべてがちゃんと見えるので、何かにぶつかることもありません。
多くの人にとって、人生は真っ暗な部屋のようなものです。失望したり、途方に暮れたり、悲しんだり、苦悩したり――こんな苦しいことがたびたび起こるのは、この世の法則が見えておらず、対処法もわかっていないがゆえに、ことあるごとにつまずいてしまうからです。
しかし、何も見えなくなっていた思考に知恵の光が射し込んだとき、混乱は消滅し、困難は消え失せます。そして、すべてのものごとが本当の場所にきちんと見えるようになります。こうして、賢明な理解という明るい光に照らされるようになれば、用心深く、怪我をしないように歩くことができるのです。
――ジェームズ・アレン
目次
- まえがき
- Prologue 完全なる平安に導く光
- The 1st Light 意志が人生を変える
- The 2nd Light 人生における「原因と結果の法則」
- The 3rd Light 精神的価値と物質的価値
- The 4th Light バランス感覚をやしなう
- The 5th Light 原則をしっかり守る
- The 6th Light 自我意識を捨てる
- The 7th Light 意識を統御する
- The 8th Light 自己コントロール(幸福への扉)
- The 9th Light 行動とその結果の関係
- The 10th Light 愚の道から知恵の道へ
- The 11th Light 気質・性格は変えられる
- The 12th Light 自分の自由、他の人の自由
- The 13th Light 労働の尊さと幸福
- The 14th Light 正しい振る舞いと向上への意志
- The 15th Light 宗教・思想の対立を生むもの
- The 16th Light 奇跡を超えて法則の世界へ
- The 17th Light 戦争を生み出す心、平和を作り出す心
- The 18th Light 世界の人々への友愛精神
- The 19th Light 人生の悲しみ
- The 20st Light 人生における変化
- The 21st Light 無常という真理
- Epilogue 絶対に消えない光
訳者あとがき
今から1世紀前のイギリスの思想家・作家であるジェームズ・アレン(1864~1912)の思想は、その代表作のタイトル『As A Man Thinketh』(人は、心の中で考えたとおりの人になる)に凝縮されています。この言葉はもともと聖書の一節ですが、「自分の思考や行動を変えることによって、自分の人生を変えていくことができる」という思想が、時代を超えて、現代の日本人の心を励まし、力づけるものとなっているようです。
アレンの晩年に書かれた本書『Light on Life's Difficulties』は、その思想の集大成、決定版と言えるでしょう。これは、人生における重要な21項目について、鋭い切り口で説き明かしたものです。
まず、前半部分は、個人レベルで人生を変えるためのヒントであり、わたしたちの実践すべき内容が、項目別にわかりやすく、具体的に説かれています。
続く第15項から第18項は、アレンの他の著作にはあまり見られない部分です。晩年のアレンは、個人の心や行動だけでなく、思想や宗教の対立、戦争と平和といった社会問題についても深い洞察を加えていました。それは、今なお紛争の絶えない現代において、非常に重要な内容を含んでいるように思われます。
そして、最後の第19項から第21項は、さらに一歩踏み込んで、人生そのものの深遠な真実をくっきりと描き出した珠玉の言葉です。特に、人生の悲しみを味わって苦しんでいる方には、ぜひ読んでいただきたい内容です。
今回の翻訳では、訳語の選定を慎重に行ないました。例えば、「思い」という言葉を使わずに「思考」や「考え」と訳しています。日本語の「思い」には、気持ちや感情、願望などウェットな心も含まれますが、アレンが「思考が人生を変える」と言うとき、そのようなウェットな要素は退けられているからです。
アレンは決してわたしたちを甘やかしてはくれません。わたしたちの幸も不幸もすべて、わたしたち自身に責任がある、と厳しく指摘します。しかし、だからこそ、人生を幸福なものに変えることもできるのだ、と力強く励ましてくれます。そして、人生を変える方法を知ったならば、その知識を眠らせることなく、実践することによって、人生を好転させ、幸福と知恵を手にしてほしい――という温かい思いがひしひしと伝わってきます。このような素晴らしい本と巡り合い、現代によみがえらせる役目を与えられたことを、非常にうれしく思います。
この本が一人でも多くの方の人生にとって有益なものとなりますように。
2004年3月
松永 英明
『「意志」と「人生」の法則』の翻訳事情
今回の本は、ジェームズ・アレンの本の内容を正確に伝えることを第一としました。「思い」ではなく「思考」という訳語を選んだことなどはその一例です。しかし、「アレンの言葉をそのまま日本語に置き換える」という意味での正確さは一部犠牲にしたところがあります。
例えば、「1ドル」を「1万円」としたことなどは典型的な例でしょう。なんでイギリスなのにドルなのか、とか説明し始めるとキリがありませんし、「それ相応の金を払って」という趣旨には変わりがないので、現代日本人の感覚に合わせたわけです。
また、100年前の英国人にとっては当たり前の社会状況についても、現代人には当てはまらないところがいくつかありました。これは原意を損ねない範囲で表現を改めています。
アレンの考えていることそのものが非常に高度な内容です。しかも、時代と場所を隔てた21世紀の日本人にその真髄をわかりやすくしようとするのは、非常に大変な作業でありました。
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